オーガニックコットン
Textile(繊維)認証とControl Union Certifications
Control Union Certifications(コントロール・ユニオン・サーティフィケーションズ。以下CUC)は、繊維業界で広く知られるSkal International(スカル・インターナショナル)の現在の機関名であり、2002年よりEKO Sustainable Textile(持続可能な繊維、以下EKO ST)認証に携わってまいりました。これまでCUCはEKO ST認証として、前身であるSkal Internationalによって定められたSkal International Standard for Sustainable Textile Production(持続可能な繊維製品のためのスカル・インターナショナル基準)に基づいた審査・認証を行なってまいりましたが、2007年より認証機関の国際的なワーキンググループによって新たに定められたGlobal Organic Textile Standard(以下GOTS)に基づく審査・認証へ移行いたしました。
また、CUCではGOTS認証の他にOrganic Exchange(以下OE)認証も行なっております。これは、アメリカのOrganic Exchangeと呼ばれる非営利団体によって定められたOE Blended Standardに基づいて審査・認証を行なうものです。Organic Exchangeの団体は繊維生産のために耕される認証有機農場の総計を1年当たり50%にすることを長期的な目標として掲げ活動しています。
- 有機製造方法に関するEUの(EEC)規則2092/91に従った有機農法の認証を受けた原綿 あるいは、アメリカのUSDA/NOP(米農務省/ナショナル・オーガニック・プログラム)認証を受けた原綿を使用している
- 認証されたオーガニック繊維が70%以上含まれている
- 製品にはGMO(遺伝子組み換え)技術を使用した材料を含まない
- 製造および加工は、環境に悪影響を及ばすことの無い状況のもと行なわれている
- 加工助剤はGOTSの規定に従って使用されている
- 原綿までのトレーサビリティー(生産履歴の追跡)が可能である
Organic Exchange認証
OE Blended Standardに基づいた審査・認証です。
OE Blended Standardに基づいて行なわれるOE認証では主に以下の事項が要求され、最終製品にはOrganic Cottonロゴをつけることができます。
- 有機製造方法に関するEUの(EEC)規則2092/91に従った有機農法の認証を受けた原綿 あるいは、アメリカのUSDA/NOP(米農務省/ナショナル・オーガニック・プログラム)認証を受けた原綿を使用している
- オーガニックコットンが5%以上含まれている
- 原綿までのトレーサビリティー(生産履歴の追跡)が可能である
これらの認証は、原綿や製品単位に対するものではなく、認証を取得した工場や加工所において作られる製品が、それぞれの認証の基準に基づいて生産・製造されていることに対する認証です。つまり、認証取得企業(もしくは団体)へ与えられる認証となります。
認証製品としてロゴをつけて販売するには、原綿から認証製品ができるまでのすべての工程(工場や加工所や倉庫)において認証の取得が必要となります。
認証取得までの手順
ロゴの使用について
GOTSロゴまたは、Organic Cottonロゴをご使用いただけるのは、原則として認証取得企業様のみとなります。
認証された最終製品に日本語の説明文などとともにロゴを使用した下げ札を付けて販売を考えられている企業様は、ロゴと共に認証取得企業名、認証番号、および認証取得企業の所在地を明記してください。
ロゴの付いた認証最終製品を販売される企業様で、広告宣伝用にロゴをご利用になられる際には弊社までご連絡下さいますようお願い申し上げます。
製品のトレーサビリティーについて
原綿から認証製品が完成するまで、通常いくつかの工場や加工所を経て製品は作られます。
原綿や各工程における出荷時にTransaction Certificate(商取引証明)を出荷量単位で発行しているため、認証製品を入荷される企業様自身によって入荷した製品が認証製品であるかどうかの確認をその都度行なっていただけます。
認証取得のメリット
製品の生産や販売に全く利害関係の無い第3者認証機関として、繊維や繊維製品を生産、製造、加工、流通される企業様の生産工程における入荷・保管・出荷時の管理や製造における製品の取り扱いについて審査・認証することにより、製品のより確かな信頼性を確保していることを消費者にアピールできます。
また、製品を出荷いただく際に企業様の認証書とは別に、各製品に対するTransaction Certificate (商取引証明)を製品出荷ごとにCUCより発行させていただくため、出荷いただく製品が認証製品であることを販売先へ明確に示すことが可能となります。
オーガニックコットンの現状
世界の農地の3%未満が綿花の栽培に使用され、農業で使用される有毒化学物質の約25%もの量が、綿花の栽培に使用されていると言われています。有毒化学物質の使用量が多いため、農地周辺への環境負荷が高く、農地で働く人々への健康被害も問題となっています。
現在、有機的に栽培されている綿花は綿花栽培全体のおよそ1%未満にとどまっています。
オーガニックコットンから目指す未来
私たちが今毎日のように着用している服やタオルなどの繊維製品。そこから見えてくる世界はどのようなものなのでしょうか。たとえば、農薬の使用の有無や、どのような生産地から収穫されているのか。また、その生産者の労働条件や環境状況はどうなっているのか、そして工場等においても危険性のある薬剤を使用していないかどうか、ほぼ完全なるオーガニックコットンの製品もあれば、混合している場合にもどのような工程でどのくらい使用しているのか。
そして自然の恵みと、私たちが製品を手にするまでに関わって下さった方々が、どんな想いで繋がってきたのかが感じ取れるのではないでしょうか。
高い信頼性と本物の認証によって、背景を知ることによる安心感と、明るい未来の構築のための第一歩になることを願っています。